志士牛島辰熊伝昭和49年10月初版発行❗️大変に希少な書籍だと思います。縦約19cm横約14cm厚さ2.5cm 全277頁の書籍です。この書籍は豪勇無比と讃えられた牛島辰熊８段の古希(70歳)を記念して牛島辰熊氏の偉大なる功績を記して発行されました。47年前の書籍ですので経年の劣化はありますが やけも少なく比較的キレイな状態だと思います。書き込みや目立つ等もありません。牛島辰熊８段は柔道家として自身も時代の中で日本の第一人者として輝かしい実績を残されましたが、歴代の日本柔道界最強との呼び声の高い木村政彦氏を育てた指導力 拓殖大学の柔道黄金時代の礎を築いた実績もとても偉大です。牛島辰熊氏と出会い指導を受けなければ木村政彦氏の柔道人生は大成する事はありませんでした。何者にも変えがたい恩師の関係です。惜しむらくは講道館柔道が木村政彦氏や牛島辰熊一門を受け入れる寛容さがあれば寝技でヘーシンクに敗れる事もなかったし柔道の歴史の中で後世に語り継がれ功績も更に輝いたのではと私は思っています。正直残念でなりません。弟子の木村政彦氏と同様に牛島辰熊氏にも柔道に比類なき才能を感じます(特に寝技は抜群の強さ)が、牛島辰熊氏には木村政彦氏と違う明治生まれの男の気骨と正義を貫く生き様をとても強く感じます。昭和19年 第二次世界大戦の戦時中 憂国の志から時の総理大臣「東条英機」の暗殺を計画し発覚して１年6ヶ月投獄されたり、牛島興運を立ち上げ経済界に進出したり、どんなに体調が悪い時にも弱音を吐かず まさにこの書籍のタイトル「志士」の称号がとても的を得た表現だと思います。自分自身に決して妥協する事なく とても厳しい人生だっと思いますが反面、門弟たちに掛ける愛情、家族や奥様 和香子を大切にされた人間的魅力もひしひしと伝わって来ます。容姿もとても二枚目ですし 理屈抜きに生き様が尊敬に値する大好きな武道家です。木村の比類の強さを表現する諺として「木村の前に木村無し木村の後に木村無し」と言われていますが、「牛島の前に牛島無し牛島の後に木村あり」だと私は強く思います。牛島辰熊氏の生き様は武士道そのものだった様に感じます。なかなか手に入らない書籍かと思います。武道家の切り口だけで無く まさに人間 牛島辰熊の生き様を書き記した感動の伝記です。